習近平主席を国賓扱いで招待することに疑問

中国の習近平主席を日本は国賓として招く準備をしているようだが、香港やウイグルに対する政治で中国が世界的に批判されている今、なぜ日本は彼を国賓で招くのか?何のメリットが日本にあるのか疑問に思う。

中国は反日教育を公にやっている国である。歴史も都合の良いように変更し、世界に向けて日本貶めのプロパガンダをやっている。尖閣諸島にはほぼ毎日のように中国海軍下にある公船がやって来ている。理由も分からずに中国に拘束されている日本人も10人ほどいる。開発支援という名のもとに、高利息の貸し付けをし、大量の中国人労働者を送り込み、そこに中国人の町を作り、現地の人たちにはほとんど利益還元されない支援政策をとっている。高利息の貸し付けのために支払い困難になった国は、99年とかで港などのインフラ施設を中国に貸し出すという、現代版植民地政策である。払えないのに借りるほうが悪いという中国の理屈なのかもしれないが。国力が落ちたとはいえ日本を頼っているアジアの国は多いと思う。

これまでは経済重視で人権問題に触れなかった米国や欧州で、中国のウイグル人に対する政策が批判され始めている。

そういう現状にもかかわらず、この状況を作り出している指導者である習主席を国賓で招き歓待する日本に、日本国民はもとよりアジアの国々の人たちからも失望と不信を招くのは間違い。国賓として招かれた中国側がどのようなコメントを世界に向けて発信するのかは分からないが、一貫して反日教育をし、日本の領土を脅かしている国を歓待する日本の姿から日本が中国の政策を支持している(または中国のやり方に屈服した)と多くの人が捉えるであろう。日本の天皇から歓待されるという写真と記事が、習近平の中国での立場を強めるという意図もあるはずだ。経済的に苦境にある中国が日本の資本と技術が欲しいことも明らかである。日本の経済界は目先のビジネスに目がくらみ、産業技術を盗まれてもまだ中国共産党が支配する中国市場に魅力と希望を持って進出したいようである。経済界と政治家が目先の利益のために長期展望を持てずに国益を損なっていると思う。

どうしても習近平に来て欲しいのなら、実務訪問賓客でいいのではないだろうか。安倍首相は内閣と自らの党内派閥争いがあり、憲法改正に向けてある程度の譲歩が必要なのだろうというコメントをネットで見かけるが、憲法改正をする前に退陣になる可能性が十分にあると思う。外国人労働者の大量受け入れ、アイヌ新法、消費税増税、そして今回の新型コロナウィルスへの対応、加えて習近平の国賓来日となると、安倍首相支持層は一気に離れていくであろう。与党批判ばかりしている野党にも期待できないのが現実であるが、日本国民の不満のはけ口が安倍首相と政権に向けられる可能性は大きい。