多文化共生に思う

クリスマスシーズンを迎えたキリスト教の国で最近よく耳にすることがある。それは、子供たちが幼稚園や学校でクリスマスソングを習わない、歌わないということだ。例えば、祖母が孫とクリスマスソングを歌おうと思っても、孫は幼稚園でクリスマスソングを習っていないので歌えない。幼稚園や小学校にはキリスト教以外の子供たちもいるので、一つの文化だけを特別に優遇するような教育はしないという政治的決定のようである。

キリスト教を基にした歴史、文化、伝統を持つ国々が、ここ数年来一気に増えた移民や難民を考慮して、自らの伝統や文化をないがしろにすることが社会にとって果たして良いことなのだろうか?それこそ、「ここは誰の国なのか?」という疑問や不満が国民から出てきてもおかしくないであろう。今ヨーロッパで起きている社会的不安定の一つの原因は、こういった行き過ぎた政策にあると思う。

長い年月をかけて徐々に変化していく緩やかな流れを通して、そこに住む人々が相互に影響し合い、それが変化となって自然に受け止められていく。そういう穏やかな変化であるべきだと思う。特に多くの日本人にとって非常に理解しにくいのが宗教に対する考えかたではないかと思う。宗教に対する考え方が日本人とはかなり違うのである。幸いにも日本はヨーロッパの現状を見れるので、そこから多くを学び、日本式の多文化共生政策を考えて欲しいと思う。