ウィーンで開かれた展示会・アンリミテッド

在オーストリア大使館の説明について

今年はオーストリアと日本の友好150周年記念行事で様々な催しが開かれていたようです。秋に
ウィーンで開かれたアンリミテッドという展示会もその一つ。この展示会では、昭和天皇を侮辱するような展示が含まれていたそうです。本来は、150周年を記念して日本とオーストリアの歴史、文化や芸術の紹介など、相互理解を深めることが主旨だったはずです。

実際に展示会に行った人たちから、両国の友好記念行事に相応しくない内容であること、そして在オーストリア日本大使館がこの展示会を公認し支援しているのはおかしいという苦情が外務省や在オーストリア日本大使館に寄せられたと報道されています。これに対して在オーストリア日本大使館は、展示内容をきちんと調べずにこの事業を公認してしまったと説明し、遅まきながら公認を取り消したとメディアが伝えています。

きちんと調べずに公認したので次からは気をつけてくださいで済んだように見えた話ですが、しかしながらこの日本大使館の説明は正しくないようです。なぜなら、日本大使館からは2名の外交官がオープニングに参加しており、非常に喜んでいる様子だったと、この企画責任者が話しているからです。たいがいの場合、オープニングに参加して、スピーチだけして、内容をまったく見ずに帰るような失礼なことはしないでしょう。今回の場合は、日本大使館から二人も参加しているわけです。手短にざっと見た際に、昭和天皇を侮辱する展示品が目に入らなかったのでしょうか??

これは芸術だから、表現の自由があり、日本政府が大使館を通して抗議したり、苦情を言うのはおかしいという意見もあるようですが、日本の象徴である天皇を侮辱する作品を、政府公認で支援するということはありえないでしょう。在外公館に派遣されている職員は日本国の国益のために働く目的で海外へ送られているので、国益に反することがあれば抗議するのが職務です。もし抗議もしないのであれば、それは職務怠慢ということでしょう。